脚先の動きや姿勢の美しい舞踊として有名で世界中に愛好者がいます。最近では若者から紳士・淑女まで、幅広い年齢の方がアルゼンチンタンゴを習っていますが、タンゴとは具体的にどのようなものか、ご紹介します。

アルゼンチンタンゴ とは、どうやって生まれたの?

アルゼンチンタンゴ の始まりは、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの港町ボカ地区で生まれたと言われています。今から約140年前のことです。
貿易で繁栄していたブエノスアイレスは、ヨーロッパからの移民、アフリカから連れてこられた黒人など、ある統計によれば外国人が7割以上を占める国際都市だったようです。

急激な移民の増加は、街をカオスの中に叩き込みます。アルゼンチンタンゴは、そのカオスの中心、ブエノスアイレスの貧民街の売春宿やいかがわしい酒場で生まれ発展していきました。

踊りには様々な文化のリズムやメロディーが組み合わさって演奏されるようになります。外国で暮らすストレス、故郷への郷愁を背景に、失恋や死別など、人生の喜怒哀楽が独特の物哀しさを持った音楽へと結実します。アルゼンチンタンゴの持つ叙情的な音楽と踊り、その魂=コラソンの震えは、今でも多くの人の心を魅了しています。

アルゼンチンタンゴというと、風俗の客引きの男同士で踊っていたという話や、娼婦同士が、仕事の合間の気晴らしに踊っていた、男同士すぐにナイフで殺しあった等という話が有名です。タンゴには確かにそうした、いかがわしい側面もあります。ところが20世紀初頭に、そんな怪しい踊りがパリで紹介され人気に火が付き、ヨーロッパで大流行します。するとブエノスアイレスでも中流階級にもタンゴが広まるようになり、いかがわしい側面が殺菌消毒され、マナーが確立していきました。今では、そんないかがわしさは、音楽の歌詞や雰囲気やステップの中に面影を残してはいますが、一般の人でも安心して楽しめる上品なものに変わっているので、ご心配なさらずに。

アルゼンチンタンゴ とは、どんな踊りなのでしょうか?

よく社交ダンスの中のタンゴと混同されやすいのですが、実際は異なります。アルゼンチンで生まれたタンゴという踊りは、その後にヨーロッパへと渡ります。そこで、ヨーロッパにもともとあった上流階級の踊りに合うようにアレンジされたものが、いわゆる社交ダンスの中のタンゴ、コンチネンタルタンゴです。それに対し、アルゼンチンで愛され続けた踊りを、アルゼンチンタンゴと呼んでいます。

アルゼンチンタンゴと呼ばれる踊りには、大きく分けて2種類あり、ひとつはステージタンゴ、ショータンゴと呼ばれる、人にみせるための踊りであり、これはかなりアクロバティックで複雑で早いダンスです。もう1つはサロンタンゴと呼ばれ、タンゴのパーティで踊られる、もっと静かな踊りです。ショータンゴでは、基本的に振り付けが決まっていますが、サロンタンゴは純粋な即興です。事前に決められた振り付けで踊ることはなく、男性がリードをし、女性がそれをフォローしていきます。とお伝えすると、難しいと思われる方もいるかもしれませんが、リードとフォローの仕組みを理解できれば、自由に踊れる奥深いものです。

サロンタンゴには失敗はなく、2人で会話を楽しむように踊ることが出来れば、他のダンスでは味わうことができない魅力が生まれます。その面白さを知れば知るほど、タンゴに魅せられるはずです。リードとフォローが分かれば、世界中の方と踊りを楽しむこともできますよ!

執筆:隆美(Takami )
月曜初級クラス・水曜初級クラス・プライベートを担当しています。
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